玉造温泉になぜ勾玉なのか?その由来と歴史を紐解いてみる。
島根に移住して以来、玉造温泉にかかわって7年目になりましたあんでぃです。
突然ですが、島根県内で一番規模が大きい、玉造温泉を訪れたことはありますか?
一度歩いたことがある方はわかると思いますが、温泉街自体は決して風光明媚な場所ということはできないでしょう。
自然あふれる風景があるわけでもないし、温泉街にお土産物屋さんが立ち並ぶにぎわった温泉街でもありません。
でも、毎年その美肌の湯を求めて、日本全国からたくさんの温泉客で賑わっています。
どんどんなくなっていく(縮小していく)全国の温泉街にはない魅力に溢れていると言えます。
目次
玉造の歴史を紐解いてみよう。
地味ーに盛り上がっている玉造温泉街でよく見かけるのが勾玉。
地名となる玉造は、おそらく勾玉を作る場所という意味だろうというのは想像に難くありませんね。
歴史を古くさかのぼってみましょう。
良質なめのうが採れる地
玉湯町近くには花仙山(かせんざん)といわれる、全国では唯一となる「青」「赤」「白」三色全てのめのうが採掘できる貴重な山があります。
中でも青いめのうは「出雲石」と呼ばれており、新潟の翡翠と並ぶ有名な国産石。
ちなみに出雲石は大変希少な石で、2012年におよそ50年ぶりとなる採掘が行なわれ、約2tものめのう原石が掘り出されました。
全て勾玉伝承館が買い取り出雲型勾玉を製作したそうです。
豊富な資源に恵まれた山の麓には、玉作の集落が50以上あったといわれており、玉造温泉付近では工房跡や遺物が数多く発見されています。
花仙山の良質なめのうで作られためのう細工は出雲国造と大和朝廷に唯一献上を許され、全国へ広まって行ったと言われています。
勾玉を広めたのはスサノオノミコト!?
時代は流れ、八岐大蛇を退治したスサノオノミコトは、玉造の地を訪れます。
戦いの疲れを温泉で癒そうと思ったのでしょうか?
スサノオノミコトは、玉作りの祖ともいわれる櫛明玉命(クシアカルタマノミコト)に出雲石で制作した八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)を献上します。
これが後に天照大神(アマテラスオオミカミ)に献上され、三種の神器の一つと言われるようになります。
そんな玉造温泉の起源をたどってみると、
開湯したのはなんと奈良時代!
「玉造」の名は、三種の神器の一つ、八尺瓊勾玉がこの地で造られたことが由来。
大変なめのうの加工をしていた職人さんたちの癒しの湯だったのではないかと想像してしまいます。
なお、日本でも最古の歴史を持つ温泉で、奈良時代の書物の「出雲国土風土記」には
「いで湯に一度入ると容姿が端麗になり、再び入れば万病が治る」
と紹介されています。
見た目がよくなり、病が治る・・・まさに神の湯!
後に平安時代に入ると、京の都にまで玉造温泉の噂が広まっていきます。
清少納言作三大随筆の一つと言われる「枕草子」にも“玉造”の名前が登場するほどです。
「玉造」と「玉作」の違い
玉造温泉を訪れる方で鋭い方からこんな質問をいただきます。
「玉造温泉にある神社はなんで玉作と書くんですか?」
おっしゃる通り!あんでぃも言われて気づきました。
先日、玉造温泉旅館組合の方にお会いしたので聞いて見たところ、
- 元々地名も玉作だったが、江戸時代に玉造になった。「
作」よりも「造」の方が大きなものをつくるイメージでもあり、 おそらく当時の地名の流行りなのではないか。 - 明治時代に神社庁から元の地名に戻すようお達しがあり、
神社は玉造から玉作に戻り、地名は玉造のままになった。
旅館組合の方も人から聞いた話なので、
でも、江戸時代の人たちが見栄を切って名付けたことを想像すると、なんだか親近感が湧いてきますね。
街歩きをしてみよう
そんな玉造温泉には、玉湯川が流れ、その川沿いに足湯があります。
宿泊しなくても、神の湯を体験することができます。
宿泊されるお客様は早めにチェックインをして、夕方の食事までの間、温泉街を散策することをお勧めします。
温泉街には写真撮影のスポットや、食べ歩きスポット、化粧水にもなる温泉の源泉を組めるスポットなど、見どころ満載ですよ。
↓温泉街の雰囲気はこちらでお楽しみ下さい↓
玉造温泉に宿泊するなら、街歩きは外せない!
また、勾玉が多数出土され、当時の工房跡も再現されている出雲玉造史跡公園も散策にお勧めです!
参考記事⏩出雲玉作史跡公園|玉造温泉で勾玉を本当に作っていたんだ!と感じられる公園
勾玉と温泉はかなりの歴史がありました
古墳時代とか、奈良時代とか、って言われてもいまいちピンとこない。。。
ざっくり言えば、大和の国がまだ政治的に混乱をしていたころに、出雲の国は玉作産業がかなり活発に行われていたということですね。
古くから愛された玉造温泉。
神の湯と勾玉を味わいに、ぜひ島根までお越しください!
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