2020年3月5日は啓蟄|冬眠中の虫たちがうごめき始める
前回の二十四節気、雨水から約2週間経過すると、新たな季節でもある春の三番目の暦、「啓蟄(けいちつ)」を迎えます。
本記事では、啓蟄の特徴やさらに細かい暦「七十二候」についても解説します!
▼二十四節気とは▼
1年を24分割して、その分割点を含む日に季節を表す名称を付けたもので、中国の戦国時代の頃に作られた。月の動きをもとにした太陰暦では毎年季節のずれが生じるため、季節を春夏秋冬のように太陽の位置で区分した。
二十四節気には12の節気と、12の中気があり、別で72分割した細かい暦:七十二候、また日本の風土に合わせた暦として雑節がある。
中気で有名なものは、二至二分(にしにぶん):夏至、冬至、春分、秋分
節気で有名なものは、四立(しりゅう):立春、立夏、立秋、立冬
目次
啓蟄はいつからいつまで? 啓蟄の特徴は?
2020年3月5日から3月20日に迎える「春分(しゅんぶん)」までの期間が啓蟄です。
啓蟄(けいちつ)は冬籠りの虫が這い出る頃。
俳句では春の季語としても使われます。
また、
「啓蟄の候ともなりましたが」
という手紙での時候の挨拶は、「最近は春のように暖かくなってきましたが」という意味で使われます。
その他手紙では、
「早春の候」
「朝夕はまだ寒く」
「水ぬるむ季節となりましたが」
といった表現も使われます。
菰外し
江戸時代から続く、菰(こも)巻き。
毎年11月頃、害虫のマツカレハの幼虫を駆除するために、松の幹に藁で作った菰(こも)を巻きつけます。
そして、春先の啓蟄の日にその菰を外すのが菰外しです。
昨今では、害虫駆除どころか逆効果であることが判明し、菰巻きを中止しているところもありますが、冬の風物詩として続けている場所もあります。
虫出しの雷
立春後に初めて鳴る雷を「虫出しの雷」と言います。
冬眠していた虫たちにとっての目覚まし時計のような存在でしょうか。
この時期には寒冷前線(暖かい空気があるところに冷たい空気が潜り込んでいく、その境目)によって雨雲が発生しやすく、雷が鳴る機会が増えます。
「初雷」や「春雷」など春を表す俳句の季語として用いられます。
啓蟄の期間の七十二候は?
啓蟄の七十二候は以下の3つに分かれます。
七十二候
初侯:蟄虫啓戸(ちっちゅうこをひらく)
次候:桃始笑(もも はじめて わらう)
末侯:菜虫化蝶(なむし ちょうと けす)
初侯:蟄虫啓戸(ちっちゅうこをひらく)
啓には、「開放する、開ける、明ける」という意味があります。
冬の寒さをしのいでいた土の中の虫たちが、「あったかくなってきたなぁ」と地上に現れる時期と言えます。
対応するように、秋分の次候に「蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)」という言葉があり、虫やカエルといった両生類が冬眠の準備をする時期を表しています。
次候:桃始笑(もも はじめて わらう)
寒い中でも甘い香りを放つ桃の花が咲き始める時期です。
桃が笑う=桃の花が咲くと表現するところが、季節に対する日本人の感性がにじみ出ていますね。
末侯:菜虫化蝶(なむし ちょうと けす)
菜虫とは植物につく、葉物の植物などにつく青虫のこと。
この頃には厳しい冬を超えたさなぎが羽化して美しい蝶になります。
虫が蠢めき、地上が賑やかになる「啓蟄」
二十四節気「啓蟄」と七十二候のご紹介でした。
時候の春分に向けて、草花も春らしさを感じられる時期となってきました。
春の訪れを自然の中で感じてみてはいかがでしょうか?
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