あなたの個人的な”やりたい”を実現。そんな組織があったら地域はどう変わるだろうか?
普段生活をしていて、
「高齢者介護でちょっと不便だなぁ〜」
とか、
「地域の子供達のチャレンジを応援したい」
とか、
「もっと出会いが活発化するイベントがあるといいな」
とかとか。
あればいいな、でも、それって自分だけなのかもしれないな、と二の足を踏んでいることはないでしょうか?
かくいう私も、いろんなアイデアが浮かぶものの、
「結構お金がかかりそうだからな…」
と諦めてしまうことはしょっちゅうあります。
そんな時に、
気軽に声をあげることができる、
賛同してくれる人々によって人手や資金がまかなえることができる、
みんなの”やりたい”をサポートしてくれる組織があったらどうでしょう?
そんなコミュニティ財団を雲南市で設立しようと、奔走されている方々にお話を伺ってきました。
目次
コミュニティ財団とはなんぞや?
そもそもコミュニティ財団とはどういったものなのでしょう?
「コミュニティ財団のすべて」を書かれた三島祥宏さんの言葉をお借りすると、
コミュニティ財団とは、地域社会に対する知識を持ち、公共的関心を代表する者として選ばれた、市民により構成される役員会が運営する公共的な社会貢献機関であり、個人、企業、団体その他から寄付され、遺贈された多数の個別基金を管理する。
コミュニティ財団は、寄付者、非営利セクター、地域社会という3つの公的存在の全体に奉仕する。各コミュニティ財団は、この3者のうちのいずれかを他の2者よりも重視することはできるが、その組織上または規程上、常にこの三社に奉仕することを忘れてはならない。
ちょっと言葉が難しいので、私なりにざっくりと解釈すると、
- 寄付された資金を利用して、社会貢献する
- 寄付者、非営利の団体、地域の社会に対して、貢献する
ということがポイント。
地域で発生する「困った!」や「やりたい!」を解決する受け皿がコミュニティ財団。
また、資金を寄付者から調達し、プロジェクトを遂行するという意味では、地域版クラウドファンディングと言ってもいいかもしれません。
なぜ、役所じゃいけないの?
地域の課題を解決するなら、県や市といった行政機関に頼めばいいじゃん!
って疑問に思いませんか。
収入や買い物をした時に徴収される税金をうまく使ってもらえればいい。
そう思うのは当然でしょう。
しかし、思い返してみると、
「手続きに時間がかかる」
「行政との距離感がある」
と感じたことはないでしょうか。
また、
「個人的な思いだったり、少数派(マイノリティー)の意見というのはなかなか届かないよ」
そんな思いを抱く方もいるかもしれません。
決して行政を否定しているわけではありません。
県民・市民全体の公益を最大化することを目的としている機関であるからこそ、仕方のないことなのかもしれません。
スピード感や距離感、そしてちょっとした悩みや、思いついた”やりたい”ことの実現。
そんな問題を解決することこそがコミュニティ財団の役割なのです。
コミュニティ財団で何ができる?
ではコミュニティ財団で何ができるのでしょうか?
答えは、、、「なんでもできます!」
自分がやりたい!と思ったアイデアがあったら、
まずはコミュニティ財団で声にあげ、寄付を募ります。
その思いをサポートしたい、お手伝いしたい、寄付したい、という方が集まれば、アイディアは実現に向けて動き出します。
行政との大きな違いはスピード感です。
例えば、自然災害によって大きな被害が発生した場合。
被災地支援をするにも、行政の場合は、
議会によって議論して、承認して、発令して、、、と。
被災者にはそんな時間はありません。
欲しいのは、いま食べる食料、暖かい家、情報です。
そんな時に、全国のコミュニティ財団が被災者をスムーズにサポートしているのです。
参考⏩災害支援に関する各地コミュニティ財団による基金設立について
雲南市ではすでにたくさんの”やりたい”が集まっている
雲南市民の方々も、いろんな思いを抱えています。
雲南市民100人の実現したいことによれば、
- 高校生がチャレンジするのを地域の大人が全力で支える仕組みをつくりたい
- 若者が農業で生活できる支援の仕組みをつくりたい
- 離乳食をつくる会をしたい
- 高齢者の移動を助けるような仕組みがほしい
- 出雲市の工場で働いている外国人の方のために、飯石小学校を国際スクールにしたい
- 鳥獣害駆除猟師の後継者対策支援をしたい
- 街中にあふれるハーブ畑があるといいな
- 座敷があって、23時まで開店しているカフェがほしい
- 本気のeスポーツ大会を開催したい
- 神楽を若い世代に継いでいきたい
と様々な”やりたい”が集まっています。
人はそれぞれ違っていて、社会というのはそもそも多様性のあるもの。
違いを否定することなく、受け入れ、認め合う社会。
コミュニティ財団が立ち上がることで、多様性のある社会の実現に一歩近づいていくのかもしれませんね。
うんなんコミュニティ財団で具体的に何をやるのか?
さて、実際に雲南市のコミュニティ財団「うんなんコミュニティ財団」ではどのように”やりたい”を実現していくのでしょうか?
詳細は公式サイトにて記載がありますが、要点をまとめると大きく3つのステップに分かれます。
- 財団法人の設立
- ”やりたい”を発案
- 基金を集める
財団法人の設立
まずは財団法人設立に必要な資金、300万円を集めています。
⏩設立発起人になるには
賛同する仲間から寄付を募集し、300万円を達成したら財団法人を設立します。
寄付は雲南市外の方も可能とのことです。
“やりたい”を発案
財団法人が設立されたら、次はみなさんの”やりたい”を募集します。
発案者はそのアイデアをコミュニティ財団へ申請し、一定の審査(現時点では数名での承認を行うとのこと)を通ったアイデアは公開されます。
基金を集める
公開されたアイデアに対して、共感した方がそのプロジェクトに対して資金面でサポートします。(クラウドファンディングのイメージ)
支援者は自分の支援によって、”やりたい”人を応援することができ、”やりたい”の先に起こる社会の変化に貢献することができます。
また、主に企業や団体(もちろん個人でも)から関心のあるテーマについて取り組む事業を支援する仕組みを整えていきます。
たとえば、飲食業界の方が子供に美味しい料理を食べさせたいという思いから、子供基金を立ち上げるなど。
つまり、あらかじめ用途を明確にした資金援助が可能になるということです。
この他にも、地域の課題を共有し話し合う場でもある「課題共有会議」を開催し、地域の課題を共有しあう場が設けられます。
課題共有会議の中で話された内容から新たな”やりたい”が生まれてくるかもしれませんね。
”やりたい”と手を挙げる仕組みが地域を変革する
ぶっちゃけますと、直接お話を伺うまで、市民財団に対してちょっとした偏見を持っていました。
なんで行政があるのにわざわざ?
どうやって資金を回していくの?
それって偽善じゃない?
(言葉悪くってごめんなさい。。。)
でも、立ち上げ準備をされている方々の熱い思いを伺っていると、
「これは偽善ではない」
ということは始めの5分で理解しました。
また、
行政ができないところ(スピード感、マイノリティー)にアプローチすること
賛同した人たちが資金を援助しあう仕組みであること
ということも。
でも、財団が立ち上がることによって起きる一番の変化といえば、
市民が社会作りに参加するきっかけが生まれる
ということではないかと思いました。
政治や行政は遠い、関係ない。
そう思っている方々が、
”やりたい””叶えたい”と目をキラキラさせた仲間に思いを託してみる。
仲間がみんなのサポートを受けながら、形に変えていく。
その形をみんなで共有し、人や社会が変わったことを実感する。
そんな循環を産み出すことができるのが、コミュニティ財団の本質的な価値と言えるのではないでしょうか。
うんなんコミュニティ財団は今でも財団設立のために賛同していただける仲間、設立資金の寄付を募集しています。
ご興味ある方は、ぜひ公式サイトをご覧ください。
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