出雲に集まった八百万の神がお立ちになる地｜万九千神社の神在祭と神等去出祭とは？

2019.11.15

出雲市斐川町に鎮座する万九千神社（まんくせんじんじゃ）。

こちらでは神在月に全国から集まった神々が各地で神在祭を行い、最後に滞在され、神議（かみはかり）や直会（なおらい）をして、全国にお立ちになります。

神々が万九千神社にいらっしゃる間に行われる神事・祭事を神在祭と言い、

お立ちになる時に執り行われる神事を神等去出祭（からさでさい）と言います。

本記事では万九千神社神在祭・神等去出祭とはどんな祭事なのか？解説していきます。

1 全国から神様が集まる神在祭とは？
2 万九千神社の神在祭・神等去出祭の日程と祭事の内容は？
3 万九千神社の詳細
4 神様が最後の宴を催す万九千神社の神等去出祭

全国から神様が集まる神在祭とは？

10月は全国的に神無月とよばれます。

八百万の神は出雲に集まるため、出雲地域だけは神在月と呼ばれます。

参考記事⏩2019年神在月（神無月）の出雲大社｜3分でわかる神在祭完全ガイド

神々は出雲に滞在中の間に行うのが、人々のご縁について検討をする神議という会議。

人間どうしの出会いだけでなく、仕事やお金、仕事といった目に見えないご縁を繋ぐために、八百万の神々があーだこーだ意見を酌み交わすのです。

また、神々は出雲大社だけでなく、出雲地域の様々な神社にお立ち寄りになりますよ。

参考記事⏩八百万の神々は出雲のどこを巡るの？出雲大社以外で神在祭を行う神社は？

万九千神社の神在祭・神等去出祭の日程と祭事の内容は？

【注意】万九千神社で行われる神在祭は旧暦をベースにしていますので、毎年日程が変わります。

神事・祭事	旧暦日程	2019年日程
龍神祭（神迎え）	10月17日	11月13日
前夜祭	10月25日	11月21日
例大祭（万九さん）（湯立神事、神等去出祭）	10月26日	11月22日

出雲大社での神在祭最終日には神等去出祭が執り行われます。

その後、万九千神社で神迎祭が行われ、神々は１週間ほど滞在。

神等去出祭を最後に、各地へ神々はお立ちになります。

神々をお迎えする龍神祭

旧暦10月17日の早朝、神社近くの斐伊川の水辺で宮司一人で八百万神を迎える秘儀が「龍神祭」。

巨木の周囲に玉垣をめぐらして注連縄で囲うことで神聖な空間を保った神籬に神々を招き、社へと遷して祀ります。

これ以降、神社周辺では奏楽や歌舞音曲は一切禁止。

祝詞の声と鈴の音が響くのみとなり、斎場は静粛な雰囲気に包まれ、「神在」もしくは「お忌み」と称して、26日の「神等去出祭」を迎えます。

前夜祭と例大祭

神等去出祭が行われる前日、旧暦10月25日に神職のみで行われるのが前夜祭。

「お籠もり」と言って、宮司などが境内に寝泊まりすることもあるそうです。

翌日26日の例大祭。

参拝者に対して、来年の稲の出来高を占う「御種組（おたねぐみ）」が行われます。

種籾や御札、お御供（ごく）と呼ばれる小餅が授与され、国の平安と人々の幸福などを神々に感謝しお祈りをします。

湯立神事と神等去出祭

夕刻に奉納されるのが、宮司家伝来の神楽を伴った「湯立神事」

神々の旅立ちを前に、すべてのモノ、コトを祓い清め、栄えることを祈ります。

そして、宮司が戸を梅の小枝で「お立ち」と唱えながら叩きます。

旅たちの時が近づきましたよ！とお伝えする神等去出神事です。

その晩、神々は直会（なおらい）と呼ばれる宴を大いに楽しみ、いよいよ各地の神社へとお帰りになられます。

その神等去出祭の様子がとてもよくわかる動画をご紹介します。

冗談まじりの宮司さんの挨拶がとっても和やかな雰囲気です。

期間限定の神在みくじ

万九千神社の神在祭の期間に行われるのが、物事の吉兆を占う「神在みくじ」（2019年は11月8日〜23日）

おみくじの他に、お札やお守り、お酒が授与されます。

引用⏩万九千神社ホームページ

神在祭期間限定の記念印

神在祭を旧暦で執りおこなう神社５社にて記念印を行っています。

神社めぐりの際にはぜひ集めてみましょう！

参考記事⏩【神在月期間限定】御朱印好きのあなたも神在５社の記念印で幸縁を結ぼう！

万九千神社の詳細

最後に万九千神社の基本情報です。

万九千神社（まんくせんじんじゃ）
住所	〒690-2104 島根県出雲市斐川町併川２５８
電話番号	0853-72-9412
主祭神	櫛御気奴命大穴牟遅命少彦名命八百萬神
御朱印	あり、神在祭のお札有り
祈祷受付時間	9:00～16:30
ホームページ	万九千神社